オンライン講座の作り方|対面レッスンから始めるライブ講座の準備

教室・講座をひらく方へ

対面で教えているレッスンを、オンラインでも開きたい。けれど、いつもは生徒の机を回って見ていた手元を、画面越しにどう確かめればよいのでしょうか。

まずは、今回の受講者に試してもらうことを一つ決めましょう。そのうえで、説明・実践・確認の時間を並べ、必要な教材や配信環境をそろえます。申込ページを作る前に、当日の進め方が見えていると、準備物や参加条件も案内しやすくなります。

この記事は、すでに対面で教えた経験のある個人講師が、初めてのライブ型オンライン講座を準備するためのガイドです。架空の水彩レッスンを例に、内容の絞り方から当日の進行、受講者側の確認までを紹介します。

ライブ型は、決まった日時に講師と受講者がつながり、その場で実演や質問をする形式です。録画した教材を好きな時間に見てもらう講座とは、準備するものが異なります。動画の撮影・編集や、購入者向けの視聴サイト作りは、ここでは扱いません。

1.今回できるようになることを、一つに絞る

最初に、いつものレッスンで教えていることを書き出します。その中から、オンラインの初回で受講者に試してもらいたいことを選びましょう。「基礎を学ぶ」だけでは、どこまで教えればよいか決めにくくなります。受講者が何をし、講師が何を見れば確かめられるかまで考えます。

たとえば、対面90分の水彩入門で、道具の説明、いくつかの塗り方、小さな作品作りを教えているとします。初回のオンラインでは、水の量を変えて試し塗りし、違いを比べるところに絞る、という組み立て方ができます。

この場合、複数の技法や作品の完成までを同じ回に詰め込みません。必要な道具は事前に伝え、当日は一つの練習と、その結果を確かめる時間を取ります。

本文の講座・人数・時間は、作り方を説明するための架空の設計例です。実際の開催記録や、適切な人数・時間の標準を示すものではありません。

  • 対象:対面で水彩の基本的な道具を使ったことがある方。
  • 今回試すこと:水の量を変えて塗り、結果を見比べる。
  • 講師が見るもの:受講者が試し塗りした紙と、本人が気づいた違い。
  • 今回は扱わないこと:複数の技法、構図、完成作品作り。

ご自身の講座でも、この四つを書いてみてください。初めての方も対象にするなら、道具の扱いを説明する時間が必要です。内容だけでなく、受講前にどこまでできる人を想定するかもそろえましょう。

2.対面でしていたことを「残す・置き換える・外す」に分ける

対面レッスンをそのまま短く話すだけでは、受講者が手を動かす時間や、講師が確かめる時間が足りなくなることがあります。いつもの進行を、オンラインでもそのまま使うもの、別の方法へ置き換えるもの、今回は外すものに分けます。

対面90分の水彩入門を初回ライブ60分へ組み替える架空の設計例。水の量を変える練習は残す。机を回る確認は、順番に試し塗りした紙を映す方法へ置き換える。完成作品作りと複数の技法は今回は外す。
図1 同じ内容を急いで教えるのではなく、今回の到達点に合わせて範囲と確認方法を変えます。
対面からオンラインへ変える例
対面でしていたことオンラインではどうするか先に用意・案内すること
自分で試し塗りし、違いを比べるこの練習は残す。結果の見せ方だけオンライン用に変える試し塗りできる道具と紙
講師の近くで実演を見る筆先や水を足す場面が見えるように、手元を映す受講者の端末で、必要な細部が見えるか確認する
講師が机を回って確認する順番に試し塗りした紙をカメラへ示してもらう紙を映す場面があることと、一人ずつ確認する時間
その場で道具を渡す使う道具を受講者が事前にそろえる道具の一覧、代用できる範囲、必要な費用
複数の技法で作品を完成させる初回は一つの練習に絞り、作品作りは外す今回学べる範囲を募集ページにも書く

小さな画面では、全員の手元の細部や作業途中を確認しづらいことがあります。全員を同時に見ようとせず、「どの場面で、何を見せてもらうか」を決めると、必要な時間を考えやすくなります。

水彩以外でも考え方は同じです。語学なら一人ずつ発話する順番、パソコン講座なら受講者の操作結果を画面共有で確かめる場面を決めます。対面で自然にできていたやり取りを、進行の中に書き込んでおきましょう。

3.説明する時間だけでなく、受講者が動く時間も並べる

進行表には、講師が話すことに加えて、受講者がすることを書きます。「実演を見る→自分で試す→講師に見せる→もう一度試す」という流れにすると、準備する資料や確認方法も見えてきます。

以下は、講師1人・受講者4人・60分の例です。個別確認を16分取り、1人3分ずつ、切り替えなどの余白を4分と置いています。人数を先に4人と決めるのではなく、どの程度の確認をするか、そのために何分必要かから考えます。

講師1人・受講者4人の架空の60分進行表。操作5分、実演7分、試し塗り13分、一人ずつの確認16分、再実践8分、質問6分、振り返り5分。確認16分は1人3分×4人と切り替え4分。他の人の番も自分の塗りと比べ、質問をメモします。入室準備10分は授業とは別です。
図2 講師がすることと、受講者がすることを並べた進行例。人数と時間は、この例で置いた条件です。
進行表をテキストで読む
60分の進行表の記入例
時間講師がすること受講者がすること
0〜5分操作と今日の到達点を確認声が聞こえるか、道具がそろっているか確かめる
5〜12分手元を映して実演水を足す場面や、塗った違いを見る
12〜25分進み具合を聞き、質問を受ける自分で試し塗りする
25〜41分一人ずつ紙を見て、必要な説明をする順番に紙を見せる。他の人の番は自分の塗りと比べ、質問をメモする
41〜49分もう一度試す際の相談を受ける説明を踏まえて試す
49〜55分残った質問に答える分からなかったことを聞く
55〜60分今日の内容を振り返り、終了を案内試して分かったこと、次に確認したいことを残す

入室や接続の準備は、授業開始の10分前から受け付ける想定です。配信ツールは、授業の60分だけでなく、この準備を含めた時間で選びます。

実際に試してみて、紙を映す操作だけで時間がかかるなら、人数を減らす、確認する内容を絞る、講座の時間を延ばすなどの調整が必要です。説明が長くなった分を、実践や質問の時間から毎回削る形にはしないようにしましょう。

4.進行に必要な配信環境と教材を用意する

何を見せるかで、カメラや画面共有の使い方を決める

まず、受講者に見てほしいものを確認します。顔を見ながら話せればよいのか、手元の細かい動きが必要なのか、パソコンの画面を共有するのかで、準備は変わります。

水彩の例なら、受講者が筆先や紙を見られることが大切です。手持ちの機器でその場面を映し、受講者役の画面で確かめましょう。映像が小さい、影になる、カメラを動かすと声が聞こえにくい、といった問題が残る場合に、置き方や機器を見直します。最初から高価な機材を一式そろえる必要があるとは限りません。

Zoomには、パソコンへ接続した第2カメラの映像を共有する機能があります。ただし、使う機器や接続方法によって準備が異なります。「スマートフォンを置けば、そのまま同じ機能が使える」と考えず、Zoom公式の画面共有の説明で確認してください。

資料は、授業中にどう使ってもらうかまで考える

当日見せる資料と、受講者が手元に置く資料を分けます。水彩の例なら、道具の一覧は事前に送り、練習の手順は授業中にも見せる、といった分け方です。

スマートフォン1台で受講する人は、講座の映像を見ながら別のPDFを開きにくい場合があります。印刷が必要なら募集前に伝える、資料を見なくても進められるよう画面でも示すなど、想定する受講環境に合わせましょう。他人の画像や教材を使う場合は、配信や配布に利用できるかも確認します。

無料プランの時間と、講座に必要な時間を比べる

今回の例は、授業60分+入室準備10分です。接続開始から終了まで70分以上を確保できる構成が必要です。

ZoomのBasicユーザーが主催するミーティングは、原則40分で終了します。Google Meetも、サブスクリプションなしで3人以上が参加する会議は最長60分です。講師1人と受講者4人で、早めの入室から授業終了まで続ける今回の条件には、そのままでは足りません。

時間上限に合わせて途中退出・再入室してもらう前提にせず、必要時間を満たすプランを確認するか、募集する前に講座の長さを見直してください。具体的なプランは、後半の配信・受付サービスの比較を参考にしてください。

時間制限の確認先:Zoom公式、Google Meet公式。2026年10月20日確認。

5.授業の進め方に合わせて、募集と参加案内をそろえる

授業の内容と進め方が決まったら、受講者が申し込む前に知っておきたい条件をまとめます。特に、道具の用意やカメラの使い方は、申し込んだ後で初めて分かる形にしないことが大切です。

  • 誰を対象にし、今回どこまで扱うか。
  • 開催日時、所要時間、入室できる時刻。
  • 用意する道具、必要な端末やアプリ、印刷の有無。
  • 声を出したり、カメラで手元や紙を示したりする場面があるか。
  • 録画配布の有無と、教材を受け取る方法。
  • 参加リンクがいつ、どこへ届くか。届かないときの連絡先。

水彩の例では「試し塗りした紙を、一人ずつカメラへ示していただきます」「今回は録画の配布はありません」のように、実際の進行とそろえます。録画を残す場合は、何を録り、誰へ共有するかを決め、必要な説明や許諾を確認しましょう。

有料で募集するなら、参加費、追加で必要な費用、支払方法、キャンセルや主催者都合で中止するときの対応も整えます。必要項目と案内文は、有料セミナーの申込フォームの作り方を参考にしてください。有料販売に必要な表示は、消費者庁の通信販売の案内や、ご自身の販売方法に応じた条件を確認します。

申込後には、参加リンク・教材・準備物・困ったときの連絡先を、受講者が探せる形でまとめます。開催前のメールは、オンライン開催のリマインドメール例文から整えられます。

6.受講者役で、最初から最後まで確かめる

自分の画面に資料が表示されるだけでは、受講者も同じように使えるとは限りません。本番に近い端末と環境で、受講者役に参加してもらい、授業の流れを通して確認しましょう。協力してもらう際は、練習の目的と所要時間を伝えます。

一人でも、別端末で見え方や資料へのアクセスは確認できます。ただし、説明を聞いた人が迷わず作業できるかまでは、自分だけでは気づきにくい点があります。音声・映像のテストと、講座の進め方を試すリハーサルを分けて考えてください。

  1. 案内だけで入室できるか。主催者としてログインした状態だけで確かめず、受講者が使う参加リンクから試します。
  2. 実演の細部が見えるか。筆先や紙、共有する文字など、授業に必要な部分を受講者側の画面で見ます。
  3. 作業中も聞こえ、質問できるか。講師が手元へ目を向けている間も、声や質問に気づけるかを確認します。
  4. 受講者の結果を見せられるか。紙をカメラへ示す、画面を共有するなど、当日使う方法で試します。
  5. 切り替えの時間も進行表に収まるか。資料やカメラの切り替え、順番の案内を省略せずに進めます。
  6. 質問の時間を残して終われるか。長くかかった箇所を記録し、内容・人数・所要時間のどれを変えるか決めます。
  7. 入れないときの連絡方法が分かるか。会議のチャットに入れない人でも使える連絡先を案内します。講師側の接続が切れた場合の連絡や再開方法も決めておきます。
  8. 案内した条件と設定が合っているか。教材の共有範囲や録画の有無を確認します。

たとえば「紙をカメラへ近づけると、講師には何が映っているか分かりにくい」と気づいたら、最初に紙の見せ方を練習する時間を入れます。問題を見つけたら、その場面だけ直し、もう一度受講者側で試しましょう。

Zoomのブラウザ参加などは主催者の設定に左右される場合があります。参加方法は、Zoom公式の参加ガイドを確認し、今回案内する方法にそろえてください。

初回が終わったら、次に直す一か所を残す

説明を繰り返した場面、予定より長くかかった操作、質問が集まった内容を短く記録します。「次は紙の見せ方を冒頭に練習する」のように、次回の進行へ戻せる形にすると見直しやすくなります。

受講者にも感想を聞くなら、セミナーアンケートの質問例を使えます。少人数の結果を、そのまま一般的な成功率や満足度として扱わず、どの場面を直すかの手がかりにしましょう。

参考:今回の条件で検討できる配信・受付サービス

授業の条件が決まってから、使うサービスを選びます。画面や声を届ける配信の仕組みと、募集・申込・支払いを受ける受付の仕組みは、担当する役割が違います。予約サービスだけで映像配信までできるとは考えず、どこまで含まれるかを確認してください。

ここでは、講師1人・受講者4人、授業60分と入室準備10分、録画配布なしの例で考えます。受付は1人3,000円の固定日時の講座1回を、自分のSNSから募集し、カードで事前に支払ってもらう想定です。参加案内は手動でもよい条件とします。

映像と会話を届けるなら

今回の70分接続を満たす配信の候補
サービス今回使えるプラン・条件費用の確認点
ZoomZoom Workplace Proなど、有料ライセンスを割り当てたホスト。Proは最長30時間・100人講師用の契約を確認。日本円の料金と、月払い・年払いを公式ページで確認する
Google MeetGoogle Workspace Business Starter。最長24時間・100人。今回の時間・人数に対応フレキシブルプランは主催者1ユーザー月950円(税別)、税込1,045円

この例では、受講者4人全員が有料プランを契約する前提ではありません。Google Workspaceの上記金額は、1年契約を前提にしない月払いの標準料金です。年契約の参考月額や、期間限定の割引と混ぜないようにしてください。Zoomの日本円価格は、この比較では記載せず、公式の契約画面での確認事項としています。

Google Workspaceの円建て料金・税・契約条件:公式の支払いプラン比較。

申込と支払いを受け付けるなら

ヨヤクーやMOSHは、自分のSNSなどから案内する受付先として検討できます。ストアカは、講座を掲載し、サイト内で見つけてもらう経路も持ちたい場合の候補です。掲載すれば申込が入ると保証されるわけではありません。

今回の1回の有料講座に使う受付の候補
サービス使うプラン・種類料金と残る作業
ヨヤクーフリーの「イベント・セミナー」月額0円。カード決済は5.9%+99円/決済(税別)。この例では参加リンクなどを別のメール手段で手動案内。振込費・返金条件は利用前に確認
MOSHFREEのイベントタイプ、Stripeのカード決済月額0円。6.5%+99円/決済(税込)。売上振込は無料。FREEでも基本のサービス作成・予約は利用できるが、独立したランディングページの公開は対象外
ストアカ通常の講座掲載。今回の料率は自己集客URL経由を想定月額0円。自己集客は10%(税別)。振込依頼額2万円未満は別途250円(公式表示)。初回のオンライン講座をストアカが送客した場合は30%(税別)

ストアカの10%は、SNSで案内するだけで必ず適用されるものではありません。指定の自己集客URLなどを経由した予約が条件です。自己集客の判定条件と、振込条件を確認してください。

表の税区分は各社の公式表記です。税別の料率を、税込の料率とそのまま比べないようにしましょう。ストアカの振込手数料250円は確認したページに税区分の明記がなく、ここでは税込総額の比較には使っていません。配信サービスの契約費も、受付の費用とは別に確認します。

また、Zoom連携による会議URLの自動発行と、有料Zoomライセンスの契約は別です。申し込みを取り消す操作と、返金の条件・手数料も各社で異なります。募集前に、必要な審査、キャンセルできる時期、返金後に残る費用を確かめてください。

まずは、すでに使える配信環境があるかを確認し、次に自分で集客するか、講座の掲載先も必要かで受付の候補を絞りましょう。ヨヤクーでカード決済を始める場合は、有料サービスを販売する準備で利用申請などの手順を確認できます。

料金・機能は2026年10月20日の公式情報で確認。無料お試しの期間限定機能は、通常の無料プランの機能に含めていません。契約・募集前に最新条件をご確認ください。MOSHの条件:プラン詳細、手数料、キャンセル。

まずは、いつものレッスンから一つ選びましょう

初めてのライブ講座では、教えたいことを全部入れるより、受講者が一つ試し、その結果を講師が確かめられる流れを作るところから始めましょう。

今日決めるのは、対象となる人、今回試すこと、確認する方法、今回は扱わないことの四つです。進行表を書いて受講者役で確かめれば、足りない教材や、募集前に伝える条件も見つけられます。

内容・日時・参加条件が決まり、申込や支払い、開催前の連絡をまとめて準備したい方は、ヨヤクーも候補になります。講座の申込フォームと案内文の見本から、最初の一回の受付を整えてみてください。